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令和3年は、はり師・きゅう師のターニングポイント

令和3年度報酬改定ははり師・きゅう師にとって大きなターニングポイントになる改定内容となっている。

これまでの制度の中では、はり師・きゅう師は介護支援専門6ヶ月の研修を受けて機能訓練指導員になるしか方法がないように思っておられる方が多かった。

介護に関わろうと思えば方法があったのだが、実際関わってきた人は非常に少ない。

今回の改訂で、本来の地域包括ケアシステムの中の一員として、はり師・きゅう師が介護保険に関わることができるようになる足場ができあがった。

今回の報酬改訂では様々なマイナーチェンジと新たな加算項目の追加されたが、コロナ禍で発出が遅れ、解釈についてのQ&Aも同様で新年度に入ってやっと出てきた。それゆえに混乱し様子を見ている所が多々ある。


そのQ&Aの中に、はり師・きゅう師にとってはこれからの大きなターニングポイントになるであろう回答が記されている。介護支援事業所にとっては事業所加算をいかに取るかと言うことが経営に直結する中で、事業所加算を取るために必要な要件についての回答に「はり師・きゅう師の施術」という文言が明記されたので解説する。


◯特定事業所加

問114 「特定事業所加算(I)、(II)、(III)及び(A)において新たに要件とされた、多用なな 主体により提供される利用者の日常生活全般を支援するサービスとは具体的にどのよ うなサービスを指すのか。」 と言う質問に対しての答え。


「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(平成 11 年7月 29 日 老企第 22 号)3(7)4を参照されたい。」として、通知:第2の3(7)4 を以下のように示した。


「居宅サービス計画は、利用者の日常生活全般を支援する観点に立って作成されること が重要である。このため、居宅サービス計画の作成又は変更に当たっては、利用者の希望 や課題分析の結果に基づき、介護給付等対象サービス以外の、例えば、市町村保健師等が 居宅を訪問して行う指導等の保健サービス、老人介護支援センターにおける相談援助及 び市町村が一般施策として行う配食サービス、寝具乾燥サービスや当該地域の住民によ る見守り、配食、会食などの自発的な活動によるサービス等、更には、こうしたサービス と併せて提供される精神科訪問看護等の医療サービス、はり師・きゅう師による施術、保 健師・看護師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師による機能訓練なども含めて居宅サ ービス計画に位置付けることにより総合的な計画となるよう努めなければならない。 」


平成11年に厚労省が示した条文を回答として上げている。これがあってこその地域包括ケアシステムであると思うが、加算要件にこのような計画を義務付け、本来の地域包括ケアシステムを実現していこうとする姿勢が示されたと解釈できる。


更に「なお、介護支援専門員は、当該日常生活全般を支援する上で、利用者の希望や課題分析の結果を踏まえ、地域で不足していると認められるサービス等については、介護給付等対 象サービスであるかどうかを問わず、当該不足していると思われるサービス等が地域に おいて提供されるよう関係機関等に働きかけていくことが望ましい。」としている。


開業されているはり師・きゅう師の先生方はよく考えて頂きたい。各施術所には多くの高齢者が来院されている。その中には少なからず介護保険サービスを受けている方がいる。その方々については、ほとんど介護支援施事業所に情報提供はされていないと思われる。そのような方々について、これからは介護保険で使われている課題分析に則って現状を把握し、どのような目的で施術し、短期・長期に目標を設定し、次月の施術予定日を通知しケアプランに乗せてもらうことをして頂きたい。

そして月替わりには施術した日とモニタリングをして前月からどう変化しているかを記し、次月の施術目標と施術日を知らせる作業を続けていくことで、我々の施術の効果を知ってもらうことができるし、それがケアマネジャーとの信頼関係につながる。


はり・きゅうのことがよく分からないケアマネジャーにとっては計画書作成の時にのような理由ではり・きゅう施術を計画に載せればよいのか、短期・長期目標をどうすればよいのか分からない。こちらが作成した文を載せて貰えばいい。介護支援計画書を作成する労力を少しでも減らしてあげることになれば、ありがたがられることはあっても拒否されることはない。


これをしていくかしないかで、はり師・きゅう師の将来が決まってくると言っても過言では無い。

共通の言語で、同じ土俵に上がるためには、介護のシステムがどんなものか、どのような課題分析がされ、評価方法がどういうものであるのか知った上で話ができるようにならねばならない。

東洋医学的な理論、診断を無闇に押しつけても理解できない人がほとんどであることを頭に入れておかないと帰って疎んじられる。


これができる人がこれから望まれるはり師・きゅう師像であり、活躍できるはり師・きゅう師になるだろう。

この後に続く若い鍼灸師につなげていきたい。


介護事業者、ケアマネジャーは報酬改定の時には必ずこのQ&Aを参照してこれを基準に仕事をしている。


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